目次
はじめに
3DCGのモデルをFBX形式で書き出した場合、作成したソフトの情報やパスなどがファイル内に含まれることがあります。これを知らずに他人に渡したり公開したりすることで、意図せず情報漏えいに繋がる可能性があります。
FBXに含まれる可能性のある情報
FBXファイルには、以下のようなメタ情報が含まれることがあります。
- Blenderで作成した元の.blendファイルのフルパス
- 例:
C:\Users\YourName\Documents\ClientProject\SecretModel.blend
- 例:
- 作成に使用したアプリケーション名やバージョン
- 時間系のスタンプ
この中でも、特に注意すべきなのは「.blendファイルのパス」です。
ここに個人名や社内プロジェクト名、部署名、科目名、日付などが含まれている場合、情報漏えいの危険性が高まります。
含まれている情報を確認する方法
FBXファイルはバイナリ形式ですが、内部には人間が読める文字列がそのまま埋め込まれていることが多く、次のような方法で確認できます。
- メモ帳で簡易確認が可能
- 一部の情報はメモ帳でも開いて見える場合があります。
ただし文字が整理されずに一気に羅列が多く、可読範囲されるので労力がかかるかもしれません。
- 一部の情報はメモ帳でも開いて見える場合があります。

- バイナリエディタを使う
- Windowsであれば無料の「HxD」などを使用してFBXファイルを開くと、右側に可読な文字列が表示され、
C:\
や.blend
などを検索できます。
- Windowsであれば無料の「HxD」などを使用してFBXファイルを開くと、右側に可読な文字列が表示され、
内部データの書き換えが難しい理由
FBXファイルはバイナリ形式であり、部分的に文字列が表示可能でも、本質的には構造化されたデータの集合です。そのため、任意に文字列を書き換えた場合、ファイルが壊れる可能性があります。
これを避けるために、FBX書き出し前に行うべき実践的な対処が有効です。
実践的な対処策
- .blendファイルを一時的にC:\直下など情報の含まれない場所にコピーしておき、そこからFBX書き出しする
- 例:
C:\Export_Ready\model.blend
- 例:
- FBX以外の形式、特にGLB(glTFバイナリ)の使用を検討する
- GLBはパスやメタ情報を含まない点で安全性が高い
終わりに
FBXファイルは定番のデータ形式なので、当たり前のようにその形式でデータ共有を選びがちですが、内部に含まれる情報によって、意図しない情報漏えいを起こす可能性もあります。
形式を選ぶ、書き出し先を配慮するなどのシンプルな配慮で、自分や他人の情報を保護しましょう。